Utsukushiki Omoide

この世界に嘘しかないならこんなに楽なことはないよな
たまに本当が混ざっているからめんどくさいけど信じてみるんだ

つらいことや悲しいことは時間が解決してくれると言うけれど
嬉しいことや楽しいことも少しずつ薄れてしまうよ
だったら明日のことだけ考えて生きていきたいな
それができない僕らは時々こうやって思い出す

吉祥寺の街中 手を繋いで見上げた青空
桟橋に座って見た花火 統合拒否 夏の夕暮れ
飲みすぎてゲロ吐いた中野の駅前 月明かりを反射して
キラキラしてたあの子のピアス
イライラする美しき思い出

忘れたいこと 忘れたくないこと

生きることと死んでしまうこと 考え出すと頭がおかしくなりそうだ
結局僕が抱えられる荷物はこの両手に収まる分だけ
だったらそれでいいよな 人から見ればゴミ屑みたいな
武骨な思い出を連れて僕は未来へ向かうとするよ

あの子に手を引かれて病院へ向かう途中の長い坂
虹色のレジャーシートレスポール 青森の星空
逃げたくて吐き捨てたナイフみたいな言葉 張り裂けたあの子の心 ジグソーパズル
足りないひと欠片 美しき思い出

忘れたいこと 忘れたくないこと

今この手の中 この胸の中 大事なものがいくつかあるよ
失くした数だけ壊した数だけ 愛すると言うことの価値を知るんだ
だったら失敗ばかりの僕らは人より愛することができるはず
だからほら思い出してみるんだよ
忘れたいこと 忘れたくないよ

誰かに笑われてる気がして外に出られなくなったこと
あの子の家から帰る途中 目白通りで見た朝焼け
幼い頃感じた父の背の温もり 西新宿 故郷の海 白紙のノート 置き去りの夢
行かないで行かないで 蝉時雨

才能あるのに死んでしまった仲間 今でも遠くで頑張る友達 今だに僕を支えてくれる彼女
鍵を掛けた部屋 戦っていたあの頃の僕 壊れた心 壊れたギター ありがとうありがとう 大嫌いだよ 美しき思い出

忘れたいこと 忘れたくないこと