沈むように溶けてゆくように
二人だけの空が広がる夜に
さよなら」だけだった
その一言で全てがわかった
陽が沈み出した空と君の姿
糞足しに重なっていた
初めて会った日から
僕の心の全てを奪った
どこか儚い空気を纏う君は
寂しい目をしてんだ
いつだってチクタクと
鳴る世界で何度だってさ
君のために用意した言葉どれも届かない
終わりにしたい」だなんてさ
釣られて言葉にした時
君は初めて笑った
騒がしい日々に笑えなくなっていた
僕の目に映る君は綺麗だ
明けない夜に零れた涙も
君の笑顔に溶けていく
変わらない日々に泣いていた僕を
君は優しく終わりへと誘う
沈むように溶けてゆくように
染み付いた霧が晴れる
忘れてしまいたくて閉じ込めた日々に
差し伸べてくれた君の手を取る
涼しい風が空を泳ぐように今
吹き抜けていく
繋いだ手を離さないでよ
二人今、夜に駆け出していく