Canaria

ほんのちいさなひだまりを
はんぶんこずつにして
あたためあえた日が
もうどうしようもなくいとしい

ガラスごしのまるで罪人
ふれあうことはもうできないんだよ
いつかどこかまた出会えるなら
きずをつけたこともゆるせるのかな

カナリア あなたのその歌声は
ふかいふかい森へとさしこんだ光
さよなら あまりにまぶしい色に
わたしは目をそらすだけ
この痛みが消えるまで

かけたとこ とがったとこ
おたがいのかたちを
たしかめあえた日も
いまはすべてがむなしい

それは淡いまるで絵の具で
まじりあえばくろくにごっていくだけ
もしも白く塗りなおせるなら
すきとおるような日々をえがけるのかな

カナリア あなたのその羽ばたきは
たかいたかい空へと舞い上がってゆく
さよなら ちぎれて飛べなくなれば
ずっとそばにいられたのに

まどからのぞくかれたつたの葉
かぜにふかれてまたおちてゆく
ひらひらひら
いまさいごのひとは ほら

カナリア あなたのそのまなざしは
ふれればよごれてくもっていくかがみ
さよなら この雨上がる頃には
あらいながされているだろう

カナリア あなたのその歌声は
ふかいふかい森へとさしこんだ光
さよなら あまりにまぶしい色に
わたしは目をそらすだけ
なにもかもが終わるまで