Ikiteru Dake De Erai Yo

聞いて、わたしさ
この前自転車に
ぶつかりそうになったの
おじさん怒って
危ねえだろうが
前見て歩け！って

でもさ
なんか無理なの
顔上げる気力がないの
歩く元気もないの
でも帰んなきゃいけなくて

足って勝手に
進まないんだなって思った
応答歩道のしましま
一つ越えるのにも
散歩かかるの

最近毎日こんなで
ここにガム落ちてるなとか
空が晴れてるのか
曇ってるのかすら
わかんないんだけど

そう言えば、そう言えば
昨日気付いたんだよね
満員
桜だったんだ

聞いて、たまにね
頑張ってみようって
思う日もあってでも
やっぱ無理で
電車で泣いちゃって
顔ぐしゃぐしゃになっちゃって

こんな所で声出す
訳いかないから
我慢するんだけど
鼻も出てきて
辛くて、うー、って
当たり前だけど

誰も助けてくれなくて
わたしだけ一人みたいな
感じした
駅着いたから無理やり
降りたんだけどしばらく
動けなくて

ホームの椅子に座ってたのね
そしたら高校生の男子が
わーって来て
向こうで
漫画の話してる訳
それが聞こえてきちゃって
わたしも
その漫画好きで
読んでたんだけど
今度
アニメか
するんだって

聞いて、わたしね
誰にも言わなかったの
言えなかったんだけどさ
なんか
一っちゃったらさ
こんなの大したことない
みたいな感じして
みんなもっとつらいし
ほら
世界とか見たらさ
食べるものとか
寝るところとか
困ってる人だって
いるわけじゃん
そういう人達と
比べたらさ
わたし凄い幸せじゃん
でもさ、そういう
ことじゃないのよ
なんでか
わかんないけど
なんか
凄い辛くて
毎日毎日辛くて
起きるのも気付くて
でも寝るのも
寝れなくて
この前
どうしようもなくて
心がぐうってしてたら
隣の隣の
席の子がね
どうしたのーって
話聞くよーって
普段そんなに
話さないんだけど
なんか
バッて全部
話ちゃって
わーわー泣いちゃって
そしたらね
その子ね
そっかそっか、って
背中撫でてくれて
偉いよ
生きてるだけで
偉いよって