ゆるやかな坂をぬける
いしだたみのとぎれるばしょへ
きみのかおがうまくみえない
たそがれにまぎれて
なにかいうそぶりのなか
なにもなさにきずついている
かぜにうたれかたをだくのは
さびしさのせいなの
みなとにちかいこだかいおかで
おもいでをさがしてふたり
むねのどこかにうみがのこした
きえないなみおとをきいていた
こぼれるゆめのしずくよ
よるへとにげてゆくやみに
なんどもきみをよぶけど
ゆれるかげにおいつけない
ゆきのふるきせつじゃなく
はなはいろをかえるでもなく
まってしまうりんかくのない
はかなしのしるしを
くちづけにはならないように
つめたいほほだけをよせる
まちは「いつか」を「きょう」にわすれて
ちいさなやくそくもゆるさずに
こぼれるゆめのしずくよ
こころでしんでくきずなが
なんどもあいをよぶけど
きみにまでおいつけない
すべりおちてゆく
ことばがせつなさの織に
こぼれるゆめのしずくよ
よるへとにげてゆくやみに
なんどもきみをよぶけど
ゆれるかげにおいつけぬまま
もとめてあてつづけた
びねつのときはすぎさって
おもいはこぼれちってく
きらめきにさまよいながら