かなわぬねがいは
ひとつぶのたね
ふかいよるへうずめる
つきのしずくで
そだてたならば
どんなふうにめがのびて
そしてはなはなにろで
ひっそりゆめのどこかで
さくのでしょうか
もしもねがいが
もうここにいないひとに
おくるものなら
よごとのますのは
やみのしずけさ
もういちどあのほほえみと
やさしいこえにあえるなら
すべてをすてることさえ
いとわないのに
なみだはよつゆにだかれ
くさにおちる
そのはかげおもいでたちが
はらはらおどるよ
みえてぬかなしみ
そらへはなてば
こうもりたちのはねにのり
よあげのひかりをあびて
こよいのゆめのおわりで
きえるでしょうか
いつでもおもいは
かわることなく
むねのおくにたたずむ