あなたを思って綴るのはこれで
最後にすることにしたわ
理由を告げない それが最大の
あたしからの贈り物
思ったよりも 人間はずっと強いものね
少し長く闇の中にいたけれど
そろそろ行くわ
何も見えなくなったその後で
すべて見えた
続く道は狭すぎて一人きりで
歩くしか他にないの
痛みが想像の域をあまりに
超えてしまった時に人は
泣いてみたり叫んでみたり
できる力は残ってなんかもうないのね
ひたすら無に襲われるのね
二つだったものが一つになって
二つになったただそれだけのことね
ただ元に戻っただけのことよね
何も見えなくなったその後で
すべて見えた
続く道は狭すぎてもう並んで
歩いてはいけないのよ