灰色の四角い空の下を今日も
あらゆる欲望が埋めつくす
その中で光を見失わず前を
向いて歩けるのはいつも君が
この街の片隅にも汚れのない
ものが残っていること
教えてくれるから
疲れ果てた体で眠りについた君を
僕は息を潜めて見ていた
世界中でただ一人僕だけが知っている
無防備で愛しい横顔
当たり前のように陽射しが降り注ぎ
優しい風揺れたある日のこと
僕の中で何かがそっと強く
確かに変わってゆくのを
一人感じていた
悲しくなんかないのに涙が零れたのは
君の思いが痛いくらいに
僕の胸の奥の傷跡にしみ込んで
優しさに変えてくれたから
もしも君が深い悲しみに出会ったら
僕にも分けてくれるといいな
その笑顔のためなら何だってできるだろう
僕の大切な宝物
僕の大切な宝物