うまれるまえのおおきなあらそい
かべにかこまれたまち
そとではひとはいきてはいけないと
おとなにいわれつづけて
ひとりでいきてきた
いたことすらわすれていたちちがしんだとしらせがとどく
"にもつをひきとれ\"かんけつなゆいごん
そえられたへやのかぎはきんじられたぎほうにつづいていた
みたことのないしかけのてつのぼうをのばす
きいたことのないことばでうたわれるおんがく
へやのおくでねむるにんぎょうおさないぼくのかおをしている
つながれたはこにひかるもじつぎのしれいをまっていた
ひらかれぬわれかえってきたちち
きおくにかすんでたかお
たずねたかったぼくのにすがたに
なにをたくしたのかと
からだにうまっていただんがんをにぎる
よいやみにまぎれてにんぎょうをかべのまえへつれていった
うたうはこをうでにかかえしゅじんのことばをまつ
めいれいはたったひとつだ
そのこえがつよくなるほうへ
おさないぼくはうなずいて
かるがると かべをのりこえてきえた
かれはいつかつなぐだろう
たちきられたすべてを
ぼくはいまはここであさをまとう
しかくいそらのしたで