人は本来本棚で
胃袋の影一冊隠している
通りかかった殺害現場で
少女は黒猫に教わった
活字中毒患者のセブンティーン
ストマックブックに取り疲れ
印ある人誤めては
夢中でページをむさぼった
切り裂いて
引きちぎって
取り出して
ただ読みたいんだ
脳神経
疼いて
いつだって
新作を求めている
世みたい世みたい世みたい世みたい
世みたい世みたい世みたい世みたい
文章で人を殺せたら
素敵だなぁって思わない
体に本埋めた腸本人
人気作家は怪しげに笑う
大多数に読まれるのは悪い
少年は悲しげに呟く
僕の作品読むためなら
人を殴ることもいとわない
最高の読者が欲しいんだ
操られ
仕向けられ
ページ開くため
体切り開く
手が汚れ
息が切れて
それでも常に
活字起こける
気付かなかった?最終巻は
君の体に馬照ることを
首筋に汗が流れ
震える手で刃物突き付ける
痛みに震え
視界が霞んで
腹からワシッポンを取り出した
ページ相手
文字が見えた
たったの二十四しか書かれてない
おめでとう君は最高の読者だ
本当の結末は、僕の中
少年は両手広げ、ただただただ笑ってる
世みたい世みたい世みたい世みたい
世めない見えない世めない見えない