満員電車に揺られて
僅かに覗いた窓の外
数分前までの笑い声が
もう懐かしくなって
押し寄せる人をかき分けていて
駆け下りた次の駅のホーム
遠くに聞こえる街の喧騒に
何故か少し安心する
満たされているはずの日々
それでも僕はまだ
何か望んでいる
抱えきれず落としていくのに
大事なもの少しずつ増えていく
その度に
溢れそうになる涙の
意味は一つじゃない
最終電車になるまで
もう少し考えてみよう
取り敢えず辿り着きたい終着点は
もう決まってんだ
それぞれに目的地は違って
そんなの分かってたはずだろ?って
繰り返す自問自答
変わる日付に気付きもしなかった
間抜けになってく足音の中で
最終を告げるベルの音が鳴った
飛び乗って流れていく景色
声にならない声が
胸をギュッと締め付けた時に
ふと浮かんだ顔
誰もが今それぞれの線路の上
走っている
片道分の切符を
強く握りしめて
僕を乗せて揺れながら走っていく
最終電車
僕は不意に君の声が
聞きたくなった