あのかさがだましましたひそらがないていた
まちはもうもこうでうたがわない
きみはそのかさにむけてつばをはき
あめにしずんでくさいれんと
だれのこえもきかずにかれはあめをつかみ
わたしのてをとりあのかさへ
はしるの
ふたりきりのやくそくをした
えほんのなかにみつけたそらをみにいこう
せつなあめさえもひきさいて
もうかなしむこともわすれたまま
くずれだしどこへゆくらせんかいだんは
すすけてひびいたしたりあめ
なきそうなわたしをそっとなぐさめるように
きみはやさしくわたしのてを
しろいかげにおわれてにげたさきにおりのむれ
わけをさがすひまもなく
きもなく
ふるえたてをきみがささえて
わたしはそんなせなかをただみまもるの
やみにとけたはぐるまはわらう
ほらかすかにかぜがほほをなでる
しろいかげはもうおってこなくてとてもかなしそうにきえた
さびたにおいもすすけたくろさえもやがていろをあわくかえ
どこからかこえがきこえたようなきがしたようなわすれたような
らせんかいだんのつきあたりにはとてもちいさなとびらが
ほこりをまといまっていた
そこにはなにもかもがあるようにみえた
いろとりどりにさいたはなふかいあおぞら
にじんだせかいにふたりきりもうなにもいらないわ
えほんのなかとじこんだそらを
あるべきばしょにかえしたわすれないように
きみがくれたつたないはなたばを
わらいながらそっとかたをよせた
せかいのさいごにかさをさす
ずっとこんなせかいならばよかったのに
かなしなくないわきみのそばで
はなのさいたそのかさのうえには
とてもしあわせそうなかおで
ちいさくねむるふたりがいた